鋼管うんちく

角パイプの重量計算の方法を具体的な数字を用いて実践

角パイプには、建築用途に使われるような大きなものから、自動車部品に使われるような小さなものまで幅広くありますが、使用する際には角パイプの重量計算をしなければなりません。
というのも、重量計算には、強度が保てるか調べるほか、搬送する際に積載できる重さなのかを見積もるためという目的があるからです。
しかし日頃から角パイプを扱う方でも、角パイプの重量がどのような計算式で導かれているのか意識することは少ないかもしれません。そこで今回は、実際に角パイプの規格を当てはめて具体的な重量計算方法を解説します。
角パイプを扱う方なら知っておきたい、角パイプの重量計算の方法について理解を深めましょう。

角パイプとは

角パイプとは

角パイプとは、断面の切り口が正方形や長方形をしているパイプのことです。他にも、断面が長方形の形状をした物は「平角パイプ」と呼ばれることもあります。
角パイプはサイズごとに小径・中径・大径の3つに分類でき、一般的に小さいサイズは「パイプ」と呼ばれ、建築に用いられるような大きいサイズのものは「コラム」と呼ばれています。
そこで、まずは角パイプの種類と特徴についてご紹介します。

一般構造用角形鋼管

一般構造用角形鋼管は、建築、建設用途、土木用途での利用が想定された角パイプです。通常のパイプを角形にするほか、鋼板を曲げたりL字型のものを組み合わせたりすることで製造されます。
一般的にはSTKR材と呼ばれ、STKR400とSTKR490の2種類に分類されます。
STKR400は二次部材である間柱として使うことが多く、STKR400よりも低炭素で強度の高いSTKR490は建築材や仮設資材材料として使用されます。

冷間ロール成形角形鋼管

冷間ロール成形角形鋼管は、BCRとも呼ばれる国土交通大臣の認定を取得した建築材料です。「BC」とは「Box Column(角形鋼管)」で、製造方法である「ロール成形」を表わす「R」を組み合わせています。
冷間ロール成形角形鋼管は、コイルと呼ばれる鋼材を引き延ばしながら製造します。連続的に曲げ加工を行い、電気抵抗溶接で一度丸型に成形、四カ所が平らになるようにサイジングしてから角形にします。
主に、冷間ロール成形角形鋼管は、鉄骨造の柱材として使われることの多い角パイプです。

冷間プレス成形角形鋼管

冷間プレス成形角形鋼管も冷間ロール成形角形鋼管と同様に国土交通大臣の認定を取得した建築材料で、「Box Column(角形鋼管)」の「BC」と、製造方法の「プレス成形」を表わす「P」を組み合わせ、BCPと呼ばれています。
冷間プレス成形角形鋼管は、鋼板を「コの字」にプレスして加工したものを2つ組み合わせ、接合部を溶接して角形を成形します。
BCRと同じように、鉄骨象の柱材として使用されることが多い建築材料です。

角パイプの重量計算はなぜ必要?

角パイプの重量計算はなぜ必要?

構造物を建てるときにはさまざまな面から強度が安全か計算して確認する工程がありますが、角パイプの重量計算も構造計算の上で必要な作業となります。パイプの重量が安全に使えるものかを検討し、必要に応じて適した重量の角パイプを選択しなければなりません。
また、運搬する際にも積載重量を知っておくことは必要なため、あらかじめ角パイプの重量を見積もる計算をしておかなければなりません。

角パイプの重量計算方法

角パイプの重量は以下の計算式で求めることができます。

角パイプの重量(kg)=角パイプ1m当たりの重量(kg/m)×角パイプの長さ(m)

角パイプ1m当たりの重量は「単重」というのですが、単重は以下の式で求められます。

単重(kg/m)=0.0157×肉厚×(短辺の長さ+長辺の長さ-3.287×肉厚)

では、実際に角パイプの数字を当てはめて重量を計算してみましょう。
今回は一般構造用角形鋼管(STKR400)を例に計算します。

STKR400の、肉厚が2.3mm、短辺の長さが50mmで長辺が100mm、パイプの長さが6000mmとして、1本の場合と想定します。
まず単重を求めます。

単重(kg/m)=0.0157×2.3×(50+100-3.287×2.3)=5.1435≒5.14kg/m 

です。
角パイプの重量は角パイプ1m当たりの重量(kg/m)×角パイプの長さ(m)なので、

5.14×6=30.84≒30.8kg 

つまり、1本/31kgとなります。

複数本数の場合は30.8kg×本数=整数重量

となります。

重量計算で注意が必要なのは、有効桁数の丸め方です。JIS規格にある「JIS Z 8401」に基づき、求めた数字は有効桁数3桁に丸めなければなりません。
四捨五入の場合、4桁目が「1〜4」の場合は切り捨て、「5〜9」の場合は切り上げとなりますが、中心にある 「5」 は常に切り上げられ、数字が大きい方へ偏ってしまいます。
それを防ぐために、3桁の有効数字に丸めるというのは、4桁数字で4桁目が「5」の場合、上から数えて3桁目が奇数のときは4桁目を切り上げ、偶数のときは4桁目を切り捨てる方法です。これによって偏りを補正することができ、角パイプなどの取引の公正が保てるようになっています。

重量計算は角パイプの基礎知識

角パイプの重量計算

角パイプは、一般的にメーカー規格で「単位重量(kg/m)」という形で表示されています。つまり、この単位重量に長さを掛ければ、角パイプの重量は容易に計算することができるのです。
しかし、角パイプを扱う方であれば、重量がどのような根拠で導き出されるのかを知っておきたいものです。
今回の記事をきっかけに、重量計算も含めて角パイプの基礎知識を押さえておくようにしましょう。

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