鋼管うんちく

3次元加工とは?仕組みや特徴、マシニングセンタについて

2022.08.03
3次元加工とは?仕組みや特徴マシニングセンタについて

3次元加工とは、従来の平面的な加工(X軸とY軸)に立体的な奥行き(Z軸)を加えた加工です。一般的に3軸加工機と称する機械を用いて加工を施します。
3次元加工は、外観上の理由であったり、強度や剛性を確保しつつ軽量化を図らなければならなかったりといった理由から用いられることが多いです。
今回は、3次元加工はどのような形状に用いられる加工なのかや、3次元加工で用いるマシニングセンタなどの機械についてもご説明します。

3次元加工とは?

3次元加工とは

3次元加工とは、水平軸(X軸)・垂直軸(Y軸)・奥行軸(Z軸)の3軸を使用した加工で、今日の鋼材加工現場において主流である加工方法です。
具体的には、X軸とY軸とZ軸をコンピューターで同時に制御し、工具などの位置決めを行い、加工します。立体的で複雑な形状の加工に用いられ、AUTO CADなどのCADソフトを使用して設計が行われます。
また3次元加工は、平面や円筒面などの数学的な幾何学形状や、計算式では表現できない自由曲面形状にも対応が可能であるため、外観上必要な複雑な形状の加工だけではなく、機械部品の軽量化のための肉抜きにも利用されます。

3次元加工はどのような形状に使う?

3次元加工は、鋼材加工の分野において、曲面に接合する鋼管を切断する際に使用します。
例えば、角パイプと角パイプが接合する際、交差する部分である「パネルゾーン」は切断する必要がありませんが、丸パイプと丸パイプの場合は、パネルゾーンの部分において接合する側の鋼管は、立体的に切断しなければ、2つのパイプが上手く接合できません。

3次元加工はどのような形状に使う?

最終的にパネルゾーンは溶接により接合しますが、非常に精度の高い加工が求められ、CADでの精緻な作図が必要です。加工精度が低いと、強度や靭性の低下が起き、製品品質が著しく劣化します。

3次元加工で使用する機械

次に、現在主流である3次元加工で使用する機械をご紹介します。

マシニングセンタ

マシニングセンタとは、鋼材の多種多様な加工に必要な工具を自動で交換できる機能を備えたもので、「中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工を連続で行えるNC工作機械」として定義されています。
(参照:一般社団法人日本工作機械工業会 ※外部サイトへ遷移します。)
NC工作機械とは、数値制御を意味する「Numerically Control」 の略称で、それぞれの加工が数値によって制御され精度の高い加工が実現できます。

  • 中ぐり:ボール盤等で開けられた穴を広げることにより寸法出しをする工程
  • フライス削り:工作物を固定して、工具を回転させながら対象物を切削する加工
  • ねじ立て:工作物にネジを刻む加工
  • リーマ仕上げ:加工された下穴を、高精度の穴径や良好な表面粗さに加工する工程

マシニングセンタは、従来のNC工作機械にATC(自動工具交換装置)が付いている機械で、一度の工程で2本以上の工具を使用する際に、作業員が工具を取り換える必要がなくなるため、安全性や経済性を向上させた機械と言えます。

パイプコースター

パイプコースター

パイプコースターとは、パイプ構造物やスリーブ管などのパイプ管に使用される鋼管の接合形状を自動計算して、切断加工する機械です。
従来の手作業や切削式と比較して、切断速度が速く加工精度が高いという特徴があります。高精度の相貫切断が可能であり、砥石を回転させて工作物の研磨・切削・研削を行う工作工程であるグラインダー作業が不要です。
またパイプコースターは、パイプ材質・厚みに応じてプラズマ切断やガス切断が選択できるため、さまざまな現場で使用されています。

3次元加工の難しさとは

3次元加工は、一般的な機械図面(上面図・正面図・側面図)では表現ができないため、機械製図で使用されるAUTO CADなどのCADデーターが必要となります。
また、材料に応じて加工可能な数値や加工内容を、設計者と施工者と発注者が確認してモックアップを作成し、切り口形状を確認することも重要です。
3次元加工の難しさは、工作物に対して適した加工を把握し、適切な数値制御を行うノウハウが必要であることです。
数値入力が正確であっても、素材や特性を踏まえた加工でなければ、製品強度や品質に影響を及ぼすため、作業者の高い習熟度が求められる加工だと言えます。

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  • 東京スカイツリー
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など、数多くの鋼構造物で3次元加工の実績があります。

打ち合わせで、3次元加工について仕様や加工可能な数値、内容を確認し、サンプル作成をして切り口形状のチェックも行います。
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