鋼管うんちく

切削加工のフライス加工について|加工法・フライス盤・切削工具の種類

2023.11.07
切削加工のフライス加工について|加工法・フライス盤・切削工具の種類

切削加工の代表的な加工法に「フライス加工」があります。

今回の記事では、加工法や使用する加工機、フライス工具の種類についてご紹介いたします。また、あわせてフライス加工時の注意点についても解説いたします。

切削加工のフライス加工とは?

フライス加工とは専用の切削工具を高速回転させて切削する加工方法の一つです。フライスとは外周に多数の切り刃を持つ円筒状もしくは円盤状の切削工具のことで、フライス盤という加工機に取り付けて使用します。

また、フライス加工する際は材料や形状に合わせてフライス工具を選択し、回転数や切削する量、幅、深さなどの加工条件を設定します。

【切削加工】フライス盤(加工機)の種類

【切削加工】フライス盤(加工機)の種類

フライス盤(加工機)は主軸の向きとテーブルの移動方向、機能で分類されます。まず、それぞれの特徴を見ていきましょう。

主軸の向きによるフライス盤の分類

フライス盤の種類 主軸の向き
立型フライス盤 主軸が地面に対して下向き
横型フライス盤 主軸が地面に対して横向き
万能フライス盤 主軸を立型・横型に回転できる上、テーブルを水平方向に回転できる

立型フライス盤は主軸が地面に対して下向きのフライス盤で、横型フライス盤は主軸が地面に対して横向きのフライス盤です。また立型・横型の機能に加えて、テーブルを水平方向に回転できるものを万能フライス盤といいます。

テーブルの移動方向によるフライス盤の分類

フライス盤の種類 テーブルの移動方向
ヒザ型フライス盤 主軸は固定、テーブルは上下・左右・前後に移動。
ラム型フライス盤 主軸は前後に動き、テーブルは上下・左右・前後に移動。
ベッド型フライス盤 主軸は上下に動き、テーブルは前後・左右に移動。

1つ目のヒザ型フライス盤は主軸が固定されており、テーブルが上下・左右・前後に移動します。2つ目のラム型フライス盤は主軸が前後に動き、テーブルが上下に移動します。3つ目のベッド型フライス盤は主軸が上下に動き、テーブルが前後・左右に移動します。

機能によるフライス盤の分類

加工機の種類 機能
汎用フライス盤 切削工具の取り付けから加工まで手動で行うタイプ。
導入コストや操作性に優れているが、作業者の習熟度によって精度に差が現れやすい。
NCフライス盤 位置や動きを数値化し、オートメーション作業を行うタイプ。切削工具の取り付けは手動。高精度な加工が実現するため安定した品質が維持できる。
CNCフライス盤 NCフライス盤にコンピューターを搭載したタイプ。NCフライスに比べて高精度。
マシニングセンタ盤 NCフライス盤に「ATC(自動工具交換装置)」が加わったタイプ。切削工具を交換する手間が削減され、作業効率と製品精度が両立できる。

1つ目の汎用フライス盤は手動タイプの加工機です。機械の導入コストが低く、操作性に優れている点がメリットとして挙げられる一方で、作業者の習熟度により製品精度に差が生じやすいというデメリットがあります。

2つ目のNCフライス盤は「Numerical Control」の略称で、ワークピースの位置や動きを数値化し、オートメーション作業が可能な加工機です。汎用フライス盤には困難な難しい形状も高い精度で切削加工することができます。

3つ目のCNCフライス盤はNSフライス盤の頭に「Computer」がついた加工機で、文字通りNCフライス盤にコンピューターを搭載した加工機です。NCフライス盤より精度が高い加工が実現します。

4つ目のマシニングセンタ盤はNCフライス盤に「ATC(自動工具交換装置)」が加わったタイプの加工機で、切削工具を作業内容ごとに手動で交換する必要があった従来のNCフライス盤と比較し、切削工具を交換する手間が削減され、作業効率と製品精度の向上が両立できます。

【切削加工】フライス工具の種類

【切削加工】フライス工具の種類

次に、フライス加工で使用する代表的な工具をご紹介していきます。

フライス工具①:エンドミル

エンドミルは外周と底面に切れ刃があるフライス工具です。エンドミルには、シャンク(柄部)と刃先までが一体となったソリッドエンドミル、シャンクと刃先が別体となっているスローアウェイエンドミルの2種類あり、それぞれ素材・外周刃の形状・底面に様々な種類があります。

フライス工具②:正面フライス

正面フライスは円の外周に複数の切れ刃があるカッタータイプのフライス工具で、フェイスミルやフェイスカッターとも呼ばれます。主に立型フライス盤に取り付けて使用し、一度に広範囲を削ることができます。

フライス工具③:平フライス

平フライスは外周に切れ刃をもったギア状のフライス工具で、回転軸に対して平行な面が切削できます。「プレーンカッター」とも呼ばれ、主に横型フライス盤に取り付けて使用します。正面フライスと同様に、加工範囲が広いため効率的に削ることが可能です。

フライス工具④:側フライス

側フライスは外周と側面に切れ刃をもった円盤状のフライス工具で、「サイドカッター」とも呼ばれています。普通刃・荒刃・千鳥刃といった刃の形状があり、用途によって使い分けます。

フライス工具⑤:溝フライス

溝フライスは外周に切れ刃をもった円盤状のフライス工具で、「スロットカッター」とも呼ばれます。主に溝加工に使用し、溝の深さや幅などの切削要件に合ったフライスを選ぶ必要があります。

【切削加工】フライス加工の種類

【切削加工】フライス加工の種類

フライス加工は使用するフライスやフライスの当て方によって加工形状が異なり、主な加工方法は平面削り・側面削り・段加工(段差加工)・溝加工・穴加工の5種類です。

それぞれの切削加工の方法や特徴についてご紹介したいと思います。

フライス加工①:平面加工

平面加工とはワークピースの表面を平面に切削加工する方法で、平面削りともいいます。平面削りでは、正面フライス・エンドミル・平フライスを使用します。

平面加工の種類 特徴
正面フライス加工 立体フライス盤を使用。

切削効率と平面度の精度に優れている。

エンドミル加工 立型フライス盤を使用。

小さい面積の切削に優れており、フライスを取り替えることなく段加工や溝加工に移ることが可能。

平フライス加工 横型フライス盤を使用。

切削効率に優れるものの、平面度の精度は正面フライスに劣る。

この中でよく使用されている切削加工は、切削効率と平面度の精度に優れている正面フライスです。

フライス加工②:側面加工

側面加工とは、ワークピースの側面を直線的または曲線的に切削加工する方法で、側面削りともいいます。側面加工では、正面フライス・エンドミル・側フライスを使用します。

側面加工の種類 特徴
正面フライス加工 横型フライス盤を使用。

切削効率と平面度の精度に優れている。

エンドミル加工 立型フライス盤を使用。

寸法精度に優れており、複雑な形状に切削が可能。

側フライス加工 横型フライス盤を使用。

寸法精度が劣るため、荒加工や中仕上げに適している。

この中で一般的な側面加工はエンドミル加工です。

フライス加工③:段加工(段差加工)

段加工(段差加工)とは、ワークピースの平面に段差を切削加工する方法です。段加工には、正面フライス・平フライス・エンドミル・側フライスを使用します。

段加工の種類 特徴
正面フライス加工 立型フライス盤を使用。

広い面積・浅い段差に適している。

平フライス加工 横型フライス盤を使用。

広い面積・浅い段差に適している。

エンドミル加工 立型フライス盤を使用。

狭い面積・深い段差に適している。

側フライス加工 横型フライス盤を使用。

狭い面積・深い段差に適している。

段加工は、加工面や加工したい段差によって使用するフライスや加工方法を変えるのが一般的です。

フライス加工④:溝加工

溝加工とは、ワークピースの溝を切削加工する方法で、キー溝加工・T溝加工・アリ溝加工などがあります。これらの溝加工には側フライス・溝フライス・エンドミルの他、T溝フライスやアリ溝フライスといった専用の切削工具も使用します。

溝加工の種類 特徴
キー溝加工 機械部品をはめ込むためのキー溝を作る加工。

側フライス・溝フライス・エンドミルを使用。

T溝加工 アルファベットの「T」を逆さにした形状に加工。

側フライスやエンドミルで溝を切削した後、T溝フライスでT溝に加工していく。

アリ溝加工 アルファベットの「Y」を逆さにし、底面を平らに加工。

アリ溝フライスを使用。

溝加工はその形状の特性上、ビビりの発生や切粉の排出不良など、影響が出やすい加工方法です。

フライス加工⑤:穴加工

穴加工とは、ワークピースに対して穴あけや、穴をくり広げる切削加工の方法です。穴加工はボール盤を使用するのが一般的ですが、フライス盤での穴あけ加工も可能です。穴加工にはドリルやエンドミル、また中ぐりバイトという専用工具を使用します。

穴加工の種類 特徴
穴あけ加工 センタードリルで下穴を加工した後、穴あけドリルやエンドミルで掘っていく。
中ぐり加工 穴あけ加工の後、中ぐりバイトを使って穴を広げていく。

穴加工を行う際は、ドリル穴を滑らかに整えるリーマ加工や段付き穴を作る座ぐり加工、ねじ穴を作るタップ加工など、用途に応じて加工を重ねます。

【切削加工】フライス加工の注意点

今回は切削加工の一種であるフライス加工についてご紹介しました。フライス加工する際は、加工内容や加工条件、加工要件等に合わせて使用する工具を選別しなければいけませんが、素材を固定する固定具についても、素材に適したものに合わせる必要があります。

また、加工精度を高めるには工具の定期的なメンテナンスや、適切な切削液の使用、切削振動の制御なども欠かせません。

加えて、フライス加工は高速回転する切削工具を使用するため、事故が発生しないように安全対策を徹底しましょう。

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