鋼管うんちく

チップソーの正しい使い方とは|取り扱いの注意点と宮脇鋼管のミス防止策を紹介

2025.12.15
チップソーの正しい使い方とは|取り扱いの注意点と宮脇鋼管のミス防止策を紹介

チップソーは、さまざまな素材を切断できる便利な回転刃です。しかし、使い方を誤ると思わぬ事故や仕上がりの不具合につながることがあります。

本記事では、金属加工におけるチップソーの基本的な使い方や、安全に使うための注意点について解説します。さらに、チップソーでの切断を得意とする宮脇鋼管の取り組みを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

チップソーとは

チップソーとは、円盤状の鋸刃の先端にチップを一定間隔で取り付けた回転刃のことです。チップソーカッターや丸鋸(まるのこ)などの電動工具に装着し、さまざまな素材を切断します。

チップソーには刃の数や刃型の形状によって多くの種類があり、木材はもちろん、鉄鋼やステンレス、アルミなどの非鉄金属といった幅広い素材の加工に対応できます。一方で、ガラスや布、紙のような素材の切断には適していません。

素材に合ったチップソーを正しく選定し、適切な条件で使用することで、効率的かつ高精度な切断加工が可能になるでしょう。

関連記事:チップソーの種類と選び方|素材に合わせて適したチップソーを選ぼう

金属加工におけるチップソーの使い方

金属加工におけるチップソーの使い方

チップソーは、さまざまな素材の切断加工が可能ですが、取り扱いを誤ると大きな事故につながるおそれがあります。ここでは、金属加工でチップソーを使用する際に押さえておきたい基本的な使い方について紹介します。

1.作業環境を整える

金属を正確に切断するためには、まず作業環境を整えることが重要です。作業台は水平な場所に設置し、動かないようしっかり固定しましょう。不安定な台で作業すると、切断中にズレが生じて仕上がりが悪くなる可能性があります。

また、作業時には安全対策が欠かせません。切り粉(切りくず)の飛散や巻き込み事故に備え、必ず保護メガネを着用し、長髪の方は帽子などで髪の毛を覆いましょう。安全で効率的な作業のためには、こうした事前準備を丁寧に行うことが大切です。

2.金属用のチップソーを取り付ける

チップソーを取り付ける際は、素材に合った種類を選び、正しい手順で装着することが大切です。

はじめに、誤って起動しないよう、機械のスイッチがオフになっていること、そして電源が完全に切れていることを確認しましょう。取り付け前には、チップソーの摩耗や変形、異物の付着がないかをチェックします。刃先に注意しながら、回転方向を確認して取り付けます。

3.切断する

切断作業では、無理に力を加えず、一定の速度で安定して進めることがポイントです。最初は刃を素材に軽く当て、ゆっくりと切り込みを入れながら作業を進めます。回転中のチップソーには決して触れないよう注意しましょう。

作業中に異音や異常な振動を感じた場合は、すぐに機械を止めて原因を確認します。また、切れ味が落ちていると感じたら、刃先の再研磨を行うことも大切です。

焦らず慎重に作業することで、バリ(切断後にできる突起)の少ないきれいな断面に仕上げられます。適切な手順と安全管理を徹底すれば、チップソーによる金属加工を高い精度で行えるでしょう。

関連記事:鉄パイプは溶接前のカットが重要!切断加工の方法や注意点は?

チップソーを使って金属加工する際の注意点

チップソーを使った金属加工を行う場合は、安全な作業環境の確保と十分な注意が欠かせません。ここでは、チップソーを使用する際に注意しておきたいポイントを解説します。

作業環境を整えて安全を確保する

チップソーによる金属の切断作業は、鋭利な刃と高速回転が伴うため、常に事故のリスクがあります。作業中は、回転する刃に手や衣服が触れないよう十分注意が必要です。

刃を取り付ける際は、必ず電源を切り、機械が完全に停止していることを確認してから行いましょう。安定した作業台を使用し、しっかりと固定することで、切断中のズレや誤操作を防ぐことが可能です。

また、室内で作業する場合は、粉じんや金属片が舞う可能性があります。換気をしっかりと行い、切断後は掃除機で粉じんを吸い取るなど、常に清潔な環境を保つことが大切です。

火災・爆発が発生しないよう注意する

チップソーは金属を切断する際に高温となり、火花が発生することがあります。火気の近くや可燃性ガス・液体のある環境で使用すると、火災や爆発を引き起こすおそれがあります。

作業場所は必ず安全な環境を選び、周囲に可燃物を置かないようにしましょう。熱がこもらないよう、十分な換気も行うことが重要です。

保護具を着用して作業者の安全を守る

金属切断時には、細かな切り粉(切りくず)や火花が飛散するため、保護具の着用は必須です。保護メガネ、長袖の作業着、防じんマスク、手袋を身につけて、目や肌、呼吸器をしっかり守りましょう。

長髪の方は帽子などで髪を覆い、回転中の刃への巻き込みを防ぐことが大切です。小さな油断が大きな怪我につながるので、保護具着用の確認を怠らないようにしましょう。

切り粉(切りくず)を放置しない

金属をチップソーで切断すると、小さな金属片や切り粉が周囲に飛び散ります。放置すると、足を怪我したり工具に傷がついたりサビの原因になったりすることがあるので、切断作業後はすぐに掃除を行いましょう。

掃除機や磁石付きのほうきを使うと、効率的に片付けができます。安全で快適な作業環境を維持するためにも、切り粉をそのままにせず、早めの清掃を心がけることが大切です。

宮脇鋼管のチップソー切断の現場におけるミス防止策

宮脇鋼管のチップソー切断の現場におけるミス防止策

宮脇鋼管のチップソー切断の現場では、加工ミスを防ぐためにさまざまな工夫を取り入れています。ここでは、特に注目すべき4つの取り組みを紹介します。

QRコード読み取りによる入力ミス防止

製造指示書のデータを設備のプログラムに手入力する際、どうしてもミスが発生することがありました。

そこで宮脇鋼管では、専用のハンディ端末で製造指示書のQRコードを読み取り、切断明細の外径・厚み・切断長、さらに長さに公差がある場合はその公差も自動入力する仕組みを導入しました。その結果、手入力によるミスがなくなり、正確な加工が可能になっています。

チェックシートによる計測ミスの防止

製造工程における計測ミスを防ぐため、チェックシートを活用した確認方法を導入しました。従来は製造指示書の明細と計測した長さを照合して確認していましたが、数字の書き写しや思い込みによる記入ミスが課題でした。

現在は計測した長さを直接チェックシートに記入し、その数値と製造指示書を照合して合否判定を行う方式に変更しています。チェックシートを活用する方法により、思い込みによる誤記入を防ぎ、より確実な品質管理が可能となりました。

自動印字「製品エフ」でミスを防止

積載ミスや見落しを防ぐため、QRコードから自動印字された製品エフを発行しています。結束ごとにサイズ・製品長・数量・納期を明示した製品エフを取り付け、出荷作業時にはハンディ端末で読み込む仕組みです。

製品エフを活用することで、積み漏れや積載ミスを即座に確認でき、受注内容に応じた部材番号などの記入漏れや記入ミスを防止できます。さらに自動印字により文字がきれいで見やすくなり、作業効率が向上しました。

配送方面別の色分けで出荷作業を効率化

出荷積載のミスを防ぐため、配送方面ごとにエフの台紙の色を変更しています。色ごとに製品をまとめて製品置場に配置することで、ひと目で仕分けがわかり、出荷作業のスピードが向上しました。

宮脇鋼管では、このような取り組みにより、加工ミスの低減と作業効率の向上を両立させています。今後もお客さまに信頼いただける品質を維持するため、さらなる改善に全力で取り組んでまいります。

宮脇鋼管のチップソー切断について詳しくはこちら>

技術と品質を追求する宮脇鋼管のチップソー加工

技術と品質を追求する宮脇鋼管のチップソー加工

宮脇鋼管では、年間400万本以上の加工品注文をいただいており、そのうち8割以上がチップソーによる精密切断でのご注文です。多様なご要望にお応えするため、鋸刃径405~700mmの幅広いチップソーを取りそろえ、加工外形に応じた鋸刃サイズや刃型を選定して切断を行っています。

切断時には、環境に優しいミストオイルを適切な粘度で噴霧することで、精度を保ちながら効率的な加工を実現。これまでの鋼管切断で培ってきた「回転数」「送り速度」「掴み量」「振れ」「ミスト量」などのデータをもとに、最適な設備設定で切断加工を行っています。

また、使用したチップソーは社内ですべて再研磨・修理を行い、歪み直しや刃付け(ロウ付け)、三面再研磨(スクイ・側面・トップ)まで丁寧に対応。1枚のチップソーを10~20回再研磨し、資源を有効活用しています。

さらに、社外への情報提供や協力会社との共有・販売サービスを行い、鋸刃の有効活用と改善に取り組んでいます。

「加工不良の少ない会社に頼みたい」「自社での加工には限界があるので、高い技術とノウハウを持った会社に依頼したい」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

宮脇鋼管の加工サービス>

鋼管加工のベストアドバイザー宮脇鋼管へ

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宮脇鋼管は、鋼管加工のスペシャリストとして、お客様にとってのベストアンサーを提供いたします。ロットの大小にかかわらず即納提案を行い、加工のすべてを品質管理いたしますのでご安心ください。VE提案から単品図の作成まで対応可能です。

また、鋼管をお客様がすぐに使用できる製品へと仕上げてお届けする新しい加工サービスも展開しております。

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